カルアーツ便り① 2014.8〜2015.9

 

2015. 9.13  さらば夏休み!

2015. 8. 7   映画が好きだ!!!

2015. 6.28  PRODUCER'S SHOW

2015. 6. 6   CRUNCH TIME雑記

2015. 4.25  film完成!!!

2015. 3.20  PORTFOLIO DAY 

2015. 3. 8   Glen Keaneさん来校!! 

2015. 3. 2   youtubeのやれば出来た使い方 

2015. 2.13  GALLERY SHOW 

2015. 2. 1   ストーリーボードの話をしよう2 

2015. 1.16  勝手に紹介 

2015. 1. 2   ストーリーボードの話をしよう 

2014.11.27 48 HOUR FILM!!

2014.11.20 Pixar来校

2014.11.4   The Spookiest Halloween

2014.10.21 2Dアニメーション

2014.10.12 良薬は口に苦し

2014.10.1   鬼Maya

2014. 9.21  ジェームズ・バグスター来校!!

2014. 9. 8   オリエンウィーク終了

2014. 8.22  International Gateway Program はじめました。

2014. 8.17  ついにカルアーツ到着!


2015.9.13 さらば夏休み!

どうも鳥海です。先日(また遠い昔の話になってしまいましたが…)は2回目のワークショップをやらせていただきまして、ご参加くださった皆さんどうもありがとうございました!!

 

いやあ、あれ正直どうなるのかやるまでは一か八かなところがあった企画だったんですけれど、皆さんのクリエイティビティとパンクチュアリティ(締め切りに対する)のおかげで素晴らしい映像が出来上がりました!繋がったものを最初に見た時は感動でちょっと眼が潤みました・・・

それから今回のワークショップを支えてくださった糸井さんと元生徒さんのAさん、本当にありがとうございました。皆さんに絵を提出してもらった後、私が大学についてのくだらない話をくっちゃべっている間、教室の後方で総数217枚の原画を怒濤のスピードとチームワークで撮影していただきまして、なんとか授業内に完成させられました、本当にありがとうございます・・・。

 

でも今回は本当に楽しい夏休みでした。3ヶ月半あっという間でしたが、やり残した事があるのかと聞かれれば全然で、色々盛りだくさんで人生の中で一番充実した夏休みでした。

毎週末は留学コースで皆さんとワイワイ楽しかったですし、東京は本屋天国なので本も漫画もたくさん読めましたし、プラス今回はアニメ系の催し物にたくさん行けたのが嬉しかったですね。

 

映画は百日紅やバケモノの子やボルト、それから色んな展示がこの夏は色々あって嬉しかったです。今年たまたまそういう展示が多かったのか、自分の目がそちらに向くようになったから見えてきたのか、たぶん後者ですが、でも今年は大きな展示がなかなか多かったんじゃないかと思うんですよ。

 

まずはバケモノの子展ですよね。この夏は私にとっては特にバケモノの夏で、今アメリカの新居の自分のスペースもスタジオ地図グッズで埋め尽くされているんですが、映画もさることながら展示もすごく素敵でした。映画の舞台渋谷のヒカリエでってシチュエーションがまずワクワクでしたし、あの絵コンテをシャンデリアのように吊り下げている演出が、紙フェチとしては大変ツボでした。それに細田守監督の過去3作品の原画も美しかったです・・・あの細かい線を動かしているんだと思うと気が遠くなりましたけど。

線と言えばアニメーターの吉田健一さんの個展も美しかったです・・・そのデザインと鉛筆の線の伸びやかさが素敵すぎて、もう出来る事なら全部トレスして勉強したいくらいで、画集が出版される日が本当に待ち遠しいです。

それからアニメの展示といえば、『ニッポンのアニメ*マンガ*ゲーム』ってのにも行きました。タイトルの通りに全体をカバーしてる展示でしたが、そのだいたいを知ってたという事でとりあえずホッとしました(笑)

 

あとそれからですね、NARUTO展が本当に熱かったんですよ!!感動しました!

ぶっちゃけ私ナルトはこの夏初めて読んで、ナルト展いった時点でまだ3分の1ぐらいしか読み終えてなかったニワカなんですが、それでも感動するくらい良い展示でした…。なにがすごいって、とにかく演出に愛を感じるんですよ…。まず入るとイントロの映像が流れるシアターになっているんですが、それがもう鳥肌。今回展示のために作られた三味線の吉田兄弟の曲と、アニメじゃない、”漫画”の絵が動く映像で数々の名シーンが再現されて、あまりのかっこよさに独りでニタニタ笑ってました。そんな素敵な展示でナルトにドハマりしてからの映画BORUTOだったので、ちょっとこれもまた感動してしまいました・・・ナルトの息子にして、サスケが師匠って設定の時点で美味しすぎたのに、西尾鉄也さんキャラデザだし監督が山下宏幸さんだし、もうラストの共闘のとこなんか作画が美しすぎて、瞬きすらできなくて眼がカラカラになりました、眼福でした。


えっと、話が色んな方向に飛びましたが、結論としてはおかげさまでこの夏ほんとに楽しかったって話でした。

今は再びのバレンシアに戻り、14日月曜から始まる授業に向けて心身共に備えているところです。やっぱり緊張というか気の張り具合が昨年とは比べ物にならないほど気楽なスタートです(笑)もう去年ほどは英語で泣かないですし、皆顔見知りだから当たり前なのですけど。でも変化もあるんですよ、今年は晴れて脱寮生活で、シェアハウスに引っ越しました!それから運転練習中です。行動範囲が増えただけで世界観がガラッと変りましたね、バレンシアってこんな面もあったんだと目からウロコの日々です。

 

という感じで二年目もゆるく更新してまいりますので、今期もよろしくお願いします!



2015.8.7 映画が好きだ!!!

お久しぶりです、鳥海です。

ふっはっは、8月に突入しましたね。

先日は(といってももう結構前ですが)また留学コースでアニメーションワークショップなるものを開かせていただきまして、ご参加いただいた皆様どうもお付き合いありがとうございました。 で、今日はそのワークショップについて書こうと思うのですが、当日がどんなだったかは戸沢先生がイベントレポートに載せてくださってますので、私はその当日までの、糸井さんと私の打ち合わせ前夜談を書きたいと思います。その前にまず、

 

糸井さん、本当にありがとうございました!!!m(__)m

 

もう糸井さん無しではこのワークショップは成り立ちませんでした。ワークショップを知らない方のために紹介させていただくと、糸井さんは映像のお仕事をされているプロの方です。今回のワークショップ開催にあたり、糸井さんには企画段階から当日まで、完全なるボランティアでお手伝いいただきました…。

 

 

ワークショップやるなら映画の構図についてやりたいですってザックリ過ぎる企画を言い出したのが、ちょうど留学コースで動物園スケッチ会に行った頃。そのときの気まぐれな発案のせいで壮大な規模の準備が必要になり、その日以来1ヶ月半近く、糸井さんを巻き込んでの大研究会が始まったのです…。

やっと一年大学生やっただけの素人が構図の何を教えられるんだって感じですが、出来るって思っちゃったんですよね〜、馬鹿だな〜。

しかし、今回のワークショップで一番勉強したのは他でもないこの馬鹿です。大学でたかだか半年習った知識じゃどうにもならなかったので、映画のカメラワークや構図についての本を色々漁りましたし、なによりプロの糸井さんから直接教われたのは本当に勉強になりました。プロから見ても良いとされる映画を沢山教えていただいたのはもちろん、興味深かったのは、同じ映像を扱うメディアでも、アニメで描く人間(というかこの場合素人同然の学生)と実写を撮る人では構図やカメラワークの認識が結構違うんですよね。

アニメーションの場合、画面上にあるものは全部人工物というか、自分が描かないと存在しませんから、一枚の絵を描くがごとく画面上に作って配置していく感覚で構図をいじっているのですが、実写の人はやっぱりその舞台が現実に存在して、そのセットに自分もいながら撮るから、すでに存在しているオブジェクトをどうフレームに納めるかという意識で画面を捉えている、ように私は感じました。その実写の意識をアニメーションを作るときに活かせたら面白い絵作りができるだろうなと思いましたね。

 

なので、分野が違う2人ということで、私は主にアニメーションから、糸井さんは実写映画から使えそうな例と解説を調べていったのですが、アレもあるねコレもあるねと芋づる式に出てきて、本が一冊書けそうなくらい色々集めましたよ。むしろ本1冊分並みにふくれあがった内容をどうやって1時間のレクチャーに収まるよう削ぎ落としていくかっていう、取捨選択の作業の方が後半すごく苦しみました。構図の良さが有名なシーンはたくさんありますが、そういう良いシーンというのは得てして色んな要素が複合的に作用して名シーンになっているので、特定のポイントを説明するって時に意外と使いづらかったりするんですね。かつ、例になるべく偏りが出ないように、古い映画、最近の映画、ハリウッド映画、やや個性的な映画…とジャンルも多様化させようと(あれでも)色々多岐に選びましたし。大学の授業の教材を使い回しできれば容易かったですが、今回はまだ教わっていない内容にも手を伸ばしちゃったので、完全に自分のキャパを越えた内容になったわけで、下手すれば途中で挫折したか、自分で説明しててもよく分からないレクチャーを作っちゃってたと思います。それを防げたのはひとえに糸井さんとの話し合いのおかげなんです。お仕事お忙しい中なんだかんだ週1のペースで打ち合わせをさせてもらって、それも毎回話し込むうちに気づいたら日が暮れて気づいたら終電間近でって感じで、高校の部活だってここまで真剣にやってなかったですよ(笑)余談ですが、PC持ち込んで何時間も居座るので、コンセントが使えてスペースが広くて長時間居座れるカフェを色々開拓できたのはちょっと嬉しい収穫でした。

でも、ここまでやっちゃったのも、映画とアニメーションが好きだからなんです。大好きなんですよ、動く物語が。色んな映画を見てると、嗚呼かっこいい、私もこんな映画作りたい・・・と、ウズウズしてきちゃうからしょうがないんです。

 

今回のワークショップは飽くまで映画技法をほんのちょっと紹介しただけでしたが、今度映画館に行くときにでも、ここはこういう意図で撮られてるんだな、なんてちょっとした分析をしながら観ると面白いんだという事を少しでも感じてもらえたら大成功です。

最後に、単なる準備頑張りましたで終るのは申し訳ないので、今回レクチャーに使ったタイトルを載せておきたいと思います。どれも映画やアニメーションの分野を目指している方は是非一見の価値ありの名作です。ほんとはレクチャーに入れたかった作品がもっといっぱいあったのですがそちらはまた機会があったらいつか・・・。

 

〜実写映画編〜                                                           〜アニメーション映画編〜

The Grand Budapest Hotel                                        WALL-E

Elephant                                                                   Lion King

Shining                                                                     鋼の錬金術師

The Intouchables                                                      Tangled

Interstellar                                                                鉄コン筋クリート

羅生門                                                                       Bug’s Life

Eternal Sunshine of the Spotless Mind                       Big Hero 6

The Three Musketeers                                              千と千尋の神隠し

50 First Dates                                                           The Road to El Dorado

Shakespeare in Love                                                 Tarzan

Children of Men                                                        Reck it Ralph

Amélie

Psycho



2015.6.28 PRODUCER'S SHOW

 こんにちは、Tこと、鳥海です。もう講師紹介にも本名でちゃっているので、鳥海でいいですよね…?はい、そうなんです、あの声優さんと同じ苗字なんです。血は繋がってませんが、光栄なことです。


さて今回は、またしてもとうの昔のイベントなんですが、Producer’s Showというものについてレポートしたいと思います!これはですね、カルアーツのアニメ科生の夢の舞台といいますか、その年の全学年のフィルムの中から20作品ぐらいが選ばれて、西海岸の主なスタジオやアニメ業界関係者を招いて上映するという、伊達にディズニーさん創設してないなってスケールのイベントです(笑)それより2週間前にはOpen Showというものがあり、これはその年のアニメーション作品をとにかく全部一気に学校のホールで上映して、皆でワアワア拍手喝采しあいながら、多少アルコールも入れながら楽しく鑑賞したんですが、今度のはもっとフォーマルで、会場も校内ではなくウエストハリウッドのDirecters Guild of Americaのシアターを貸し切ってますし、もれなく全員招かれる学生たちも割とフォーマルにドレスアップして参加します。色んなスタジオが来ていて、自分たちも柄にも無くドレスアップして…ってもうそれだけでワクワクするイベントだったのですが、今回大変幸運な事に私の作品も上映作品の一つに選ばれたのでもうこの緊張と興奮はもう…その日が近づくのを指折り数えるのすら楽しかったです。

当日、ショーの開始は夜7時でしたが、張り切っていた一年生たちはほとんどが5時前には会場入りしてまして(早すぎて一旦カフェとかで時間潰さないといけないくらいだったのですが)、まだ誰もいない事だし、ちょっと会場を覗いてみました。そしたらすごいすごい、予約席に既に名前が貼られているのですが、ディズニー、ピクサー、ドリームワークス、カートゥーンネットワーク、ブリザード…蒼々たるスタジオ名が会場の中央を陣取っていていました。スタジオ名だけでなく名指しの席もあって、Glen Keaneさんのお名前も見かけました、残念ながら当日ご本人をお見かけする事はなかったのですが。それからワコムも来てましたね、当然ですよね、ワコム無しでは私たちのどの作品も完成していないのですから、ワコム様様です m(__)m

しばらくして先輩たちが到着して、もう普段の姿はパーカーにゆるいジーンズが殆どの先輩方が今日ばかりはシャレたスーツや大人っぽいワンピースを着こなしているわけですからもうそれだけで面白かったですね。皆ショーのために伸び放題の髪や髭は整えてちゃんと人間に戻ってますし、かっこよかったですね。そのうちに段々知らない大人が増えてきたと思ったらどうやらスタジオ関係者の方々が到着してきたようです。もっとも、別に”ピクサー”とか”カートゥーンネットワーク”とか名札を胸につけてくれているわけではないので誰が誰かも分からず。あのおじさんすごいオシャレだよね、きっと偉い人だよね、みたいな憶測を言い合いながら開場を待ってました。


しかしここはさすがアメリカ。こういう開場で一列に並ぶ、みたいな習慣がないですし、そもそも主催者側もおおざっぱに右と左に分ける程度でまともに並ばせる気がないですし、学生も大人もごっちゃに入り交じってドアが開くのを待ってました。強いていうならチケットの色が違う人は優先的に入場できたので、私も一応上映作品の制作者ということで優先的に入ったはいいのですが、友達とはぐれたり空席が見つけられなかったりで、やっと落ち着いて座るまでがやたら疲れました、来年はもっと賢く席を探そう…。

そんなこんなでやっと皆おさまり、暗転して始まったProducer’s Show。作品の上映の前に、学校長や学部長の挨拶、そして今回のPeer’s Pick受賞者(生徒の投票で一位に選ばれた作品)のJohn Cody Kimさん、それからGracie Lantz Animation Prize受賞者のSeth Boydenさんのスピーチがありました。お二人とも4年生なのですが、またそのスピーチが上手くて泣かせるんですよ…。この人たちもそう遠くない将来ビッグになって手の届かないところにいっちゃうんだな…って感傷に浸っちゃいました。会場が十分に温まったところでいよいよ上映開始です。今回は学校のホールとは比べ物にならない立派なスクリーンと音響での上映ですから、既に何度も見た作品もまた違った感動がありましたね。一応、私の作品もシアター上映用に多少手直しして、音楽もプロのミキサーが5.1サラウンド用に直してくれているんですよ。あいかわらずいざそれが流れたときは緊張で自分の心臓の音ぐらいしか記憶に残りませんでしたが…。

そんなかんじで1時間少しの上映は終わり、後はエントランスでレセプションという事で、フィンガーフードをつまみながらの色んな人との社交タイムになったわけなのですが、私は実はそのさらに後にもうひとつビッグなイベントが待ってまして、ピクサー主催の特別レセプションに呼んでいただいたんです。それも最新作”Inside Out”の監督のPete Docterさんがホストということで、意地でなんとか友を頼って帰りの車をとりつけて、ドキドキしながらそちらの会場に向ったんですよ。そしたらなんと、会場がクラブで。つまり、入場には年齢制限があるんですよ(笑)20歳以下、もしくは提示できるIDが無い人は、狭めてある入り口に仁王立ちしている強面のおっちゃんが入れてくれません。招待状をもらったのに聞いてないよっ!と、ズンズンとビートの響いてくるクラブの入り口で、若すぎたか身元の証明できなかった学生が立ち往生になって困り果てていたその時、なんとピート監督ご本人が到着されました。


事情を聞いた監督は「じゃあ皆でカフェに行こう」と、なんと寛大な事に哀れな学生を引き連れて年齢制限のないカフェに連れて行ってくれたんです!そこでもうほとんどゼロ距離で監督や関係者の方とお話しする機会を得て、自分にはちょっとtoo muchすぎる刺激でした。監督は上背で彫りの深いお顔のおじさんなのですが、とても優しく気さくな方で、片言の外国人にも辛抱強く色々お話を振ってくださいました…。日本人だと言ったら、「おお、じゃあ君もジブリ行った事ある?」って聞いてくださったのですが・・・いや、たしかにLAと比べればほとんどお隣りさんって言っていいくらいの物理的距離感かもしれませんけど、美術館は行きましたけど、そんなに近くないんですよ現実的な距離は…(汗)けれど監督からはご自分がジブリのスタジオを訪れて宮崎サンや鈴木サンと会った時の貴重なお話をきかせていただいたきました!しかし、やっぱり英語力もそうですけど、こういう、初対面の人とそれなりに話す、または聞く力というものも今後鍛えてかなくちゃなと思い知る体験でした。それは日本語でも同じなんですけれどね。いやあ、学ぶべき事がたくさんです。


初めてのProducer's Showはとにかく刺激的なイベントでしたね。そりゃあもちろん、緊張はしますし英語は相変わらず大変ですし、往復の足をどうにかするのも一苦労でしたが、楽しいだけではなく、これからどんな世界に足を踏み入れていくのか、どんな人がいるのか、どんなスキルが必要になっていくのか、と色々勉強になる一日でした。それにこの一年の集大成的イベントでもあったので、帰り道、車窓を流れる夜のハリウッドのネオンを眺めていると、ああ一年アメリカで大学生やったんだなと、としみじみと感慨に浸っちゃいました。まだやっと1年目が終ったばかりの分際でなにを湿っぽく…ってかんじですが、逆に言えばもうカルアーツ生活の4分の1は終っちゃったわけで、そう思うとぼーっとしてられませんね。2年目をフルに楽しむためにも、日本にいられる間は出来るだけ色々やっときたいものです。


ではまた!



2015.6.6 CRUNCH TIME雑記

こんにちは、大変ご無沙汰しています!とうとう日本に戻ってきました!そしてこれからしばらく留学コースで夏限定講師としてお世話になりますのでよろしくお願いします!!


今回は書こう書こうと思ってるうちに月日が経ちもう5月すら終わったわけですが、製作中のアニメ科生の日常をお届けしていこうと思います、いまさら。タイトルの"CRUNCHTIME"とは直訳すると”試練の時”みたいな意味なのですが、向こうでは”制作の佳境、一番忙しい時期”みたいな意味で使われています。瞬く間に過去の記憶になってしまって、なんかちょっと懐かしいくらいです。いつも通りグダグダですが、私たちのささやかな日常をお楽しみください…

1月某日

ストーリーのクラスにてストーリーボードの講評。制作の不安を打ち消すために先生がまたもや体を張った教えを伝授してくれました。fearと書かれたビデオデッキをhard workと書かれたハンマーでぶち壊すという、いつも通りかなりアグレッシブだけど分かりやすい例えでした。

2月某日

今夜もコツコツ作画中。ときどき周りの人が急に立ち上がったり手を振ったりしてますが演技の付け方を練習しているだけなのでスルーし合うのが思いやりです。私も動きの研究のために、色々自分で動きました。深夜2時くらいシンとした廊下を一人カメラ回しながらひたすら走るのはなかなか精神的に応えます…。

ところでご覧の通り、一日の殆どをラボで作業していたわけで、そうすると手と目は忙しいんですけど耳が暇なんですね。なので常にイヤホンで何か聴いてる状態になるんですが、それを3ヶ月続けたわけですから、相当な量のメディアを消化しましたよ。2000曲入ってる自分のiPodは最初の一ヶ月の時点ですでに聞き潰したので、もっと為になるものをとPodcastを漁って、ゲームメタルギアソリッドの監督の小島秀夫さんがやってらっしゃる『ヒデラジ』はほぼ全話聞きましたし、ジブリのプロデューサーの鈴木敏夫さんがやってらっしゃる『ジブリ汗まみれ』は今でも更新のたびにチェックしてるくらいハマりました。

 

そして最後の佳境一ヶ月を支えてくれたのは声優の神谷浩史さんと小野大輔さんのやっている声優ラジオ『Dear Girl Stories』。もうこれはエンドクレジットにスペシャルサンクスで名前を載せさせていただこうかと真面目に考えていたくらいお世話になりました・・・。

 

話題がやや逸れましたが、皆さんも何か作業中でしたら少し聞いてみると面白いですよ…ハマりますよ…。


2月某日

夜中の休憩時間、自販機でアイスクリームを買って食べる。ホームランバーみたいなレベルの味だけど、やっぱり夜中のアイスクリームは格別です。ちなみにアイス自販機は中の冷凍庫がガパッと開いて掃除機みたいなアームで吸い上げる構造…もう少し効率の良い設計は無かったのか…

3月某日

ポートフォリオデーが終ったら翌週は春休みです。といってもこちらの休みはたった一週間。それでも家が近い人は実家に戻って束の間の羽伸ばしをするわけですが、居残り留学生組にとっては単に授業のない制作日和。そしてもれなく食堂も閉まって追い打ちをかけてくるので自炊生活に成りますが、でもアジア学生同士でご飯を持ち寄ったりして、なんだかんだ実は食堂より良いものを食べてたり(笑)たまに予告なしにフードトラックが来てたりもしました。学校が静かである意味過ごしやすかったですね。

3月某日

今年はなんと日本語でフィルムを作った先輩がいて、カルアーツ中の日本人が総動員で音楽や声優や時代考証などお手伝いしました。この日はそのレコーディング。初めて録音室というものに入りました!こう、本当の声優さんの収録風景みたいに、ガラス越しにマイクで指示が出たりして、もうそれだけで楽しかったです。素人の集まりでしたが出来る限り自然な演技、日本語にしたいと皆で追求していって、夕方始めて終わりが夜中の3時になってて先輩も皆さんもすごく大変だったと思いますが、とても貴重な体験が出来ました。楽しかったなあ。

3月某日

だいたい作画と着彩が仕上がってきた頃。いつも作業の初めと終わりにチェックしていた進行表もだいたい埋まってきましたが、ここからが意外と大変。今まではひたすら作画してるだけで良かったですが、これからは全体を考えてコンポジットを始めないといけません。それから後回しにし続けた背景も一週間で一気に描き上げました。白黒だったからまだ出来たけど、来年は背景さすがに一週間じゃあ無理ですね…。

4月某日

そういえばこの頃『バケモノの子』の最新予告が公開されて話題になってました。いっぽうカルアーツには突如大きなビニールのプレイハウス?が建って、幼稚園児でも来てるのかと思いきや私たち用でした(笑) health&happy day とかいう催しの一環だとか。初めは躊躇してたものの、ちょっとすると大はしゃぎのアニメーターでいっぱいに。はしゃぎすぎて両肘擦りむいたあげく翌日強烈な筋肉痛だったけれど久々の運動とても気持ちよかったです。

4月某日

いよいよ締め切り間近。ラボは3室とも満員になることが多くなり、食事の時間も惜しいからトレーごとラボまで持ってくるものの、中は飲食厳禁なので外の棚まで修羅場がひろがってました。


もう最後は本当に一丸と成ってって感じでしたね。コンポジットがやってもやっても終らなかったり、仕上がったはずのカットに重大なミスを見つけたり、作曲家さんから最終稿がいつになっても上がってこなかったりと、次々に襲いかかる困難を皆で励まし合って乗り切りましたね。最後の仕上げにエンドクレジットを書くのですけど、隣の友達が自分の苗字の綴りを書き間違えてて、しっかりしろーー!!って揺すり起してからかっていたら、ふと見ると自分は苗字どころかファーストネーム間違えてました。笑えないです。でもあとちょっと!あと数時間!!

4月20日!

ついにフィルム完成!!!明け方提出してその後はとうとう勝ち取った安らかな眠りを昼まで貪りました。やっと起きだして食堂に行く途中、終った先輩たちが長い冬眠明けの動物のごとく芝生の上に倒れてるのを見かけました。フィルムが終ったと思うと、世界がまるで違って見えて、そうか春になっていたんだなあと。

振り返れば長いようであっという間な3ヶ月半でした。口を開けば忙しい終らないと泣き言ばかり言ってましたが、なんだかんだそれが楽しかったなと。早くもちょっとあの日々が懐かしいくらいです。Mなんですかね。でもまだ後3回は学校で嫌ってほど堪能できるはずですし、かつこれから生涯ずっとそんな感じになると思うと、ゾクゾクしてきますね(笑)


して、この夏は早くも次の作品の企画を考え始めなくては。やっぱり東京は都会でモノがたくさんあるからアイデアの宝庫なんですけど、実家で3ヶ月以上の夏休みってなると予想通り何も作業が進まないもんですね。やっぱ締め切りって大事だなあ…。


ではまた!



2015.4.25 film完成!!!

大変ご無沙汰してしましました、Tです。

 

さて、フィルム終わりました!!!やったーーー!自由だーーー!!

 

今学期の頭から数えれば3ヶ月、構想の段階から数えれば4ヶ月に及んだプロジェクトがついに完成しまして、解き放たれた今なにをしたらいいのか分からずにいたずらに惰眠を貪りつつも、溜まってたエッセイやら課題やらでなんだかんだ忙しい今日この頃です。ここ一ヶ月は食う寝る意外はほとんど作業でその様子をお伝えする事すらかなわなかったので、今回はその間の話をしていきたいと思います。いつも以上にまとまりのない文章ですがご愛嬌で。

 

まず今までもフィルムフィルム散々言ってましたが、具体的に何をやっていたのか、図にしてみました。

ストーリーボードは幸い早めに仕上がったので一月の下旬からアニメーションをスタート。私の場合はとにかく動かしたいというのが今回の目的でもあったので、この作画に一番にほとんどの時間を費やしましたね。ラフでだいたい仕上げるのに2月いっぱい、3月はそのクリーンアップと着彩にかかり、3月の終わりから4月頭で一気に背景を仕上げて、素材が揃ったカットからAfter Effectsで背景とアニメーションをコンポジットしていく、という感じでした。

 

たった1分半の映像に3ヶ月費やしたとはとても信じられないのですが、全行程を全部一人でやらないといけないので、これが時間がかかるんですよ。アニメーションは本来共同作業なので、かっこよくいえば、監督、デザイナー、作画、背景美術、そして進行状況の把握をするプロデューサーという役割を一人で全役担うわけですよ!たった90秒ですけど。でも実際、たかが90秒でもなかなかの作業量なので、作業別にマインドを切り替えないと全体が把握しきれないんですよね。なので作画するときはアニメーターのマインドで描いていきつつ、時々監督の目で全体を見渡して筋が通っているかどうか確認して、一日の終わりと始まりにはプロデューサーとしてスケジュールの確認と調整をする、という。端から見るとただ一日中スクリーンに張り付いているようにしか見えないですが、中は結構賑やかなんです。実際後半にもなってくると、もはやいつ書いたか分からないメモに助けられたりもして、そんなときは本当に自分が何人もいる気分になるから不思議です(笑)

しかしやっぱりアニメーションはすごいですね!!やればやるほど色んな可能性が見えてきて、大変ですが私はやっぱり動かすのが一番好きなのかなと実感しました。自分でまさに描いていると勉強もしやすいもので、毎日作業初めにyoutubeで有名なアニメーターさんの作画集とかを見て士気を高めていました。しかし皮肉な事に、日本にいた頃以上に日本のアニメの作画ばっかり見てましたね、わざわざカリフォルニアまで来て(笑)もちろん自分の趣味というのもあるんですが、実をいえば時間と技術の限られた学生の場合、日本のリミテッドアニメーションはすごく勉強になるんですよね。滑らかさが売りのディズニーとはまた違った、少ない絵数でどれだけ分かりやすく、かっこよく動かすかという技術はやっぱり日本の手書きアニメが一番ですよ!!まあ授業は100%アメリカ流でしたし、ディズニー出身の先生にアドバイスはもらってたので、私は合いの子な画風になってるんでしょうか。

ちなみに音楽は、作曲家やサウンドデザイナーを自分で見つけることになっていて、時期になると募集の張り紙を貼り出すのですが、作曲依頼も初めてなのにまして英語でってどうしようと前学期から悩んでいたところ、今回たいっへん運の良い事に、日本から作曲専攻の方がいらっしゃってたんですよ!!国立音楽大学とカルアーツがなんと今年から交換留学を始めたらしく、すぐに連絡を取ってお願いさせていただきました。音楽まるで素人の分かりづらい説明と注文にも関わらず何度も打ち合わせさせていただいて、素晴らしいものを作っていただきました。本当にありがとうございます。

 

次回はアニメ科の素敵な修羅場ライフについて、またくだらない話を書き連ねていく予定にしてます、ではまた!



2015.3.20 PORTFOLIO DAY

こんにちは、Tです。3月ですでにこっちは初夏みたいな気候ですが、一応桜も咲いてました。春ですね。

季節のご挨拶も早々に、今回は先日17日にあったアニメ科のビックイベント ”ポートフォリオデー”についてお話ししたいと思います!

まずこの趣旨としては、有名スタジオの方々を招いてアニメ科生徒(キャラクター、エクスペリメンタル両方)のポートフォリオを見てもらい、生徒とスタジオのつながりを作っていく、といったもの。そこですぐ採用が決まったりインターンを貰えたりすることはあまりないのですが、業界に近づく絶好の機会。

 

こんな重要行事をあえてフィルム締め切りの一ヶ月前に持ってくるあたりに大学側の愛を感じますよね。私たちはフィルム製作と課題に追われる中、なけなしの睡眠時間をさらに削ってポートフォリオも仕上げるわけです。といっても全員強制というわけはないのですが、このチャンスに大半の生徒はそれでも参加します。


なにせ来るスタジオリストには蒼々たる名前が並んでいるんですよ。

大御所Disney, Pixar, Dreamworksはもちろん、TVショーの方からもCartoon Network, Nickelodeon, South Park, 他にもSony Pixtures, JibJab, Warner Bros. animationなどなど、とにかく大きいところが一通り来ちゃうんですよ。


当日がどういう行程なのかといいますと、デーなんて言うくらいですから本当に一日がかりで、メインギャラリーにズラリと並んだ机の上に自分の作品をきれいに置くのが朝8時半まで、それ以降は生徒は一切閉め出され、そこにスタジオの方々が入っていらして12時までじっくりチェックされます。それからいよいよ名簿貼り出しの時間。

各スタジオが興味を持った生徒の名前が掲示板に貼り出され、その中に運良く自分の名前があったら、つまりコールバックをもらえたら、自分のポートフォリオを持ってそのスタジオのブースに行って個別面談のチャンスにありつくわけです。仕組みとしてはこんな感じです。

で、私も一応、かろうじて今までの作品をかき集めてなんとか作ったポートフォリオを持って、早朝会場に出向いたんですが、第一印象としては、コミケみたいだなぁと(笑)上級生のブースは結構凝ってるものが多くて、ポートフォリオの他にデモリールを流すためのPCが開いてあったりとか、名刺が置かれてたりzineを無料配布してたり、人によってはキャラクターのモデルとかも置いてたりして、外観からすごいんですよ。ご自由にどうぞってお菓子置いてる人もいました(笑)勉強になるので色々見せてもらいたかったんですけれど、ポートフォリオの開いてあるページから何から全てきちんと整えられている様子を見ると、乱すのが怖くてちょっと触れませんでしたね…。


というのも、このイベントは主に、就職が近づいてくる上級生が主役なので、彼らにとってはこれが就活のひとつ。一方一年生はというと、まだまとめるほどの作品も満足に無いですしそもそもまだ在学期間があと数年ありますし、例年あまり一年生の名前は掲示板には挙がらないそうで。なので気合いの入り方も違うわけです。私のはというと、名刺もPCもないんで、ポートフォリオ一冊ポンと開いて、その横にレジュメ(笑えるほど真っ白)を置いて、で設置終了でした(笑)

8時半に追い出されるまま食堂に向って皆で朝ご飯を食べて、そして寮のベッドに直行。実はその前夜から徹夜で迎えた朝だったんで(なぜかポートフォリオのためでなくその日の課題が終らなかったからだったんですが)、そのまま午後の授業まで寝惚けてました。

正午、やっとの思いで起きて、シャワーを浴びてからいつものように授業の教室に向い、そこで会った友達が私の顔を見るなり、

「congrats!!」

突然の賛辞に訳がわからず面食らっていると、

「名前載ってたでしょ!T、コールバックもらったんだよ!!え、もしかしてチェックしてないの!!?」

そう叫んだ友達に引っ張られるようにして、状況が飲み込めないままに3階の会場に駆け上りました。そうなんです、チェックしてなかったんです(笑)清々しいほどに何も期待していなかったんで、会場の掲示板の事はまったく念頭になかったんですよ。いやあ本当に、その友達が教えてくれなかったらどうなっていたか・・

掲示板の周りにはすでに人だかりが。近づいてみると、たしかに名簿がたくさん貼ってあってありました。各スタジオごとに一枚ずつ貼ってあるので、30枚くらいあるんですよ、それも全て手書きの。この中から自分の名前を探すのかと気が遠くなったところを、またしても例の友達が手伝ってくれて、合計4つ見つけました!!

 

1つがDreameast、2つがDreamworksの部門別、そしてDisney Animation Studioの字の下に自分の名前を見た時はさすがにフラッときました。 すっかり動転しちゃって、とりあえず自分のポートフォリオは持ったもののどうしたらいいか分からなくて会場をウロウロするしかなくて、同じように興奮してどうしたらいいか分からない生徒があちこちでウロウロしてたんで、端から見たらかなり奇妙な風景になっていたんでしょうね。

 

やっと状況が飲み込めてくると、同じくコールバックをもらった友達ととりあえずおめでとうを言い合い、で、どうしよう、と。コールバックをもらえたんだから、次はそのブースに出向いていけばいいんですが、まだ心の準備ができてないし、どこから行ったらいいのか分からない。ディズニーに真っ先に向いたいところでしたが、かのスタジオは会場の一番奥中央に陣取っていて、すでに先輩方がずらっと並んでいましたし、とにかくラスボス感がすごくて怖そうだったんですよ(笑)なのでまずDreamworksから、ポートフォリオを抱きしめて、覚悟を決めて向い始めました。

 

それぞれのブースには、アートディレクターや人事部の人がだいたい各スタジオ2・3人(ディズニーだけは6人以上)いらしていて、ポートフォリオに対する講評や、今後の方向性や、スタジオがどんなアーティストを望んでいるのかなど色々お話ししてくれました。採用の際は部門べつに取るので、ポートフォリオを見る際も、ヴィジュアルディべロップメントか、ストーリーボードか、アニメーターか等、分野ごとにコールバックがかかります。私はまだ自分の方向性が決められていなかったので、ヴィジュアルとストーリーボードの混ざったような微妙なもので、量もたった10pほどでしたし、片言英語なうえに緊張していたのでさぞや支離滅裂な返答を繰り返していたはずですが、どこの方もとても丁寧にアドバイスをしてくださいました。興味深かったのは、スタジオによって評価されたポイントが違った事ですね。Dreamworksでは水彩でラフに描いたスケッチが意外と評価されましたが、ディズニーの方ではもうすこし完成された絵を求められたりなど、とにかく全てが勉強になりました。金曜の講演会などでは何度もお話を聞いていたスタジオの方たちでしたが、自分の作品についてアドバイスをいただけるのはまた貴重な体験でした。

 

あとで知った事ですが、今年は一年の名前が例年より多かったらしく、その理由のひとつは、一年生用のブースが例年より中央に設置されていたからということもあったらしいです。それでも四角い会場の壁際なんですが、例年はもはや会場の横の廊下にはみ出されるらしくて・・・(笑)つくづく運がよかったなあと。

 

夢のような不思議な半日が幕を閉じて、一夜明けた今でも夢だったのかなと思いますが、とても素敵な体験でした。ここで得たアドバイスを活かして、フィルム製作、そして来年のポートフォリオも頑張っていきたいものです。

 

最後に、ポートフォリオはTumblrに上げたので、興味ありましたら覗いてみてください。 http://hikaritoriumi.tumblr.com/post/113985611230/my-1st-year-portfolio

 

ではまた!



2015.3.8 Glen Keaneさん来校!!

こんにちは、Tです!本日は今期最後のフライデーナイトトーク、そしてなんとあの伝説的アニメーターのGlen Keaneさんがいらっしゃいました!!その興奮と感動の冷めやらぬうちに書いてしまいたかったので、支離滅裂になってるかもしれませんがご愛嬌で。


講演のあった金曜の夜そのままこれを書いているせいもあるかもしれませんが、今期の金曜トークの中で一番素敵なレクチャーでした!その場で作画の実演をしてくださったり、イラストレーターであったお父さんの影響、ディズニーに入る事になった経緯、リトルマーメードやターザンの製作秘話や初期のペンシルテスト(ラフアニメーション)、CGアニメを手描きの生命力を吹き込んでいく方法、影響を受けた画家や彫刻家など、幅広いお話をしてくださいました。ピカソやミケランジェロの引用も挟んでらしたんですが、グレンさんが使うといっそう説得力が増しますね(笑)


けれど、グレンさんのお話で一番素敵だと思ったところは、技術云々ではなくて、子どものように若々しいそのお人柄でした。絵を描く事がとにかく大好きなのが伝わってくる、愛に満ちたワクワクする話し方で、とても楽しそうに自分の経験を語ってくださるんです。ポカホンタスのストーリーボードを描いていた時の話で、 ストーリーボードの段階でそんなに力を入れて一枚の絵を描くのはナンセンスだと言う人もいる、だけど私には、ポカホンタスの瞳の美しさは木炭で描かずにはいられなかった」

とおっしゃっていて、検索するとすぐ出てくると思いますが、お話のとおりとても美しい強い絵で、それだけでポカホンタスの性格や人生が全て伝わってくるのだから不思議です。また、絵の声を聞くことをとにかく説いていらして、後述する作品の作画中の話、

「そのシーンに取りかかった頃にはもう午前5時くらいになっていて、少年を木に向って走らせるだけのシーンだったし、さっさと仕上げて次に回さないといけなかったんだ。だけど草の上を走らせていたとき、ふと思った、この子はまっすぐには木に向わないなと。そう思ったらもう私は、次に踏み出すはずの少年の左足を少しだけずらさずにはいられなかった。その途端、少年は草原を奥にどんどん走りだしたんだ、それからはもう少年が好きなように動いていった」

そう次々に話しながら流される映像を見ていると、本当に少年がアニメーターの手を離れて一人で駆け回り始めるのが感じられて、そのストーリーテリングの上手さにぞわりと感動しました。

「アニメーターになるということは、子どもになるということだ」と実際おっしゃっていましたが、まさにそれを体現してらっしゃる方で、シアターの後方に座っていた私にまでそのエネルギーが届いてきて、こういう人って本当にいるんだなあと。


しかしグレンさんのお話は過去の伝説に留まりません、今回の主題は『duet』という、携帯端末でインタラクティブに鑑賞できる映像作品で、今現在進行中のプロジェクトです。


https://www.youtube.com/watch?v=GuX52wkCIJA


これはディズニーをやめたグレンさんがgoogleに誘われて始めた企画らしく、「商品ではなくて、端末を使ってくれている人たちへの純粋なギフトとしての作品を作って欲しい。だから好きなだけ想像力を広げてくれ、それに技術チームが合わせていくから。」というコンセプトからのスタートで、だったら紙の上に、いえ、紙という窓から覗ける無限大の世界を自由に動き回るアニメーションを作ろうということになったのだそうです。主人公は男の子と女の子と犬。誕生からのびのびと成長しやがて大人になっていく過程を追った3分半ほどのアニメーションです。これはもう、”命を与える”という意味でのアニメーションが好きな人ならば鳥肌が立つほど感動する映像です…。まさに絵が生きているというか、動く、息をするという喜びに溢れているというか。youtubeで観た事はあったのですが、立派なスクリーンと音響とさらにご本人がいる劇場で観ると、やっぱり感動が違いましたね(笑)youtubeで現在観れる映像だけでもものすごいのですが、今回のプロジェクトは、なんとそれをインタラクティブにするというんです。iPhoneやAndroidで観るわけですが、画面がいわばその世界のカメラになっていて、端末を動かすと自由に目線を動かせるんですよ!ストーリー自体が、女の子と男の子がそれぞれ別々のストーリーの中で成長していき、時に巡り会って、また離れてを繰り返していくものなので、観客は端末を動かして、好きな方を選んでカメラで追っていけるわけです。説明下手なものでピンと来なかったら申し訳ないんですけれど、これをアニメーションでやるって、ものすごいことなんですよ。そもそもインタラクティブな映像っていうのが今日のテクノロジーを以てしてもまだ難しいものですが、何がとんでもないかって、これ全部手描きのアニメーションなんです(笑)本当に、紙に描いてある、しかも60fpsの(笑)通常のアニメーションって24fps(一秒の中に24コマ)ですから、どれくらいとんでもないアニメーションかは数字でもお分かりかと…。それを講演の最後に実物で見せてもらったのですが、予想以上に素晴らしくて…。ストーリーは知っているはずなのに、それをインタラクティブカメラで追っていくとまた別の次元の臨場感というんでしょうか、本当に鳥肌が立つほどの感動で、満員の客席から何度も本気のどよめきが上がりました。幸せな3分半でしたね。ここのところ作業に追われ続けて初心を忘れがちな私たちでしたが、あの瞬間は皆、ただただアニメーションが大好きな子どもに還って、その無限の可能性を見せてくれる新しい作品の世界にのめり込んでいました。


一時間半の講演はあっという間に終わり、その感動のまま「おおおアニメーションするぞおおお!!」と意気勇んで作業に戻って、自分の絵を見て現実に引き戻されるわけですが、本当にすてきな講演でした...。ディズニーでのキャリアも長く既にとんでもなく伝説的な方なのに、その目はさらに未来の可能性を見上げていて、まさに真のアニメーターでした。すっかり興奮してシアターを飛び出したせいで集合写真に写りそびれたことを後から知って今じわじわ後悔しているのですが、それでもあの講演を聞けただけで幸せです。


長くなってしまいましたのでこのくらいで、ではまた!



2015.3.2 youtubeのやれば出来た使い方

大変ご無沙汰しています。ここのところラボに籠りきりで、目と左手と背中をどんどん悪くしているTです。普段裸眼なのですが、PCで作画していると白い画面を見続ける事になるので、ここのところはブルーライト用の眼鏡を使っています。日本で買っておいて良かった…。


ここのところひたすら作画を続ける毎日で、呼吸をするようにanimationしているのですが(過呼吸ぎみ)、そんな私を大いに助けてくれているのがyoutubeです!!!かの世界的動画サイトは単に猫がピアノを弾いてる動画やホラーゲームの実況プレイを見るためだけのものではありません。アニメーターにとっては世界中の動画資料にアクセスできる宝箱のような存在!!!21世紀に生まれて本当に良かった…。だって、「馬 走り」といれれば馬の走り方が一発で分かりますし、小さい子どもの動作が知りたければ世界中のママさんパパさんが資料を提供してくれます。


しかしこのあいだ、斜面を転がり落ちる動きが知りたくてとりあえず「cliff fall off」と入れたら、かなり痛々しいのが出てきて研究以前に直視してられなかったので、キーワードの入れ方は結構大事ですね。ちなみにキーワードは日本語と英語でも結構出てくるものに違いがあるので、日本語でうまく出てこなかったら英語で入れてみると、より広く検索がかけられるものもあります。 しかし動いてるのを見てるだけじゃ分かりづらい、でもココ!ってとこで一時停止できる反射神経もない、それで困っていたら友達が紹介してくれました、なんとyoutubeはコマ送り再生が出来るんです!!! 


別に知ってたよそんなことって話かもしれませんが私にとっては目からウロコの発見でした…。で、どうやるかというと、「youtube frame by frame」で調べれば実は普通にアプリが沢山出てくるので、それを使うわけですが、友達が教えてくれた一番やりやすいやり方は、google chromeの拡張機能としてインストールする方法です。自分のアカウントにインストールしてしまえば後は簡単、普通にyoutubeを開くだけで画面の右下に新しいアイコンが付いています。それをカチカチやればコマ送りできるという、とても便利な代物。ちなみにインストールしたはずなのにアイコンが出ていない場合は、画面を更新してみてください。 


最近は製作に追われながらも面白いイベントもちょいちょいあったので、こちらに書きたい事は沢山溜まっているのですが、本当に時間ばかりは増やせなくて…。ご飯も食べるとその後2時間ぐらい頭が働かなくなるので最近は一日二食で済ませている状況で、聞いたら周りも皆そんな感じでした(笑)摂取量が少ないから痩せるか、それともストレスで太るか、日本に帰る頃にはどうなってるか見物ですね…。


ではまた!



2015.2.13 GALLERY SHOW

こんにちは。急に風邪を引きまして、葛根湯、錠剤の風邪薬、喉に噴射する風邪薬、鼻に噴射する風邪薬の総動員で生きてますTです。

マスクをすべきところですが、このあいだ試しに装着して授業に出たら案の定かつてないほど注目の的になったので、よほどの事が無い限り控えてます…。廊下で知らないおばさんに「それ良いわね!私も前にしたことあるわ」ってコメントまで頂きました。もはやファッションですね。

さて、ここのところフィルム制作しかやっていないアニメ科ですが、そんなアニメ科の春学期の数少ないイベントのひとつ、ギャラリーショーが先日ありました!名前の通り、アニメ科の展覧会のようなものです。けれど始まるのが夜の9時半からで、お酒が出て、上級生たちが似顔絵を無料で描いてくれるというのがカルアーツらしいところでしょうか。


会場は校内の一番大きい広場メインギャラリーで、その左右の壁に作品を貼っていきます。だいたい一枠1.5メートル幅くらいで、10ドルくらい払って先着制でスペースを買うという、意外にお金のかかる仕組みですが、大抵の人が一枠を何人かグループでシェアしてるので参加料と思えば。私も友達と5人くらいで一緒に参加しました。 


前日夜に貼付けして、当日は夜スタート、授業のあとに会場に行ってみるとアニメ科だけでなく、似顔絵コーナーとお酒目当て(笑)で集まってる他の科の生徒で結構にぎわってました。行列に圧倒されて私は並ばずに終りましたが、似顔絵すごく楽しそうでした。やっぱりこの人たちにカリカチュアをやらせたら右に出る人はいないですよね。 


壁にたくさん貼られている作品もみどころ。あまりアップの写真は載せてませんが、やっぱり皆上手いというか、イラストとしての見せ方がうまいというか、それぞれ個性が溢れていて大変見応えがありました。どんなものがあるかというと、自分のキャラクターや世界観を描いているイラストも多いですが、二次創作もありで、ポケモンだったり、ナルトだったりとかもありました。動きの豊かなラフなスケッチも良かったですが、やっぱりこっちの人は色の付け方が可愛くて上手いですよね。デジタル作品が多いんですけど、デジタルの塗り方もまた、日本のpixivでよくランキングに上がっているもののような透明感のある塗り方とは違って、もっとマットに、パステルで塗りつぶしたテクスチャに近い塗り方が最近のトレンドみたいで。こっちに来た頃はどうやったらそんな塗り方ができるんだと思ってましたが、それっぽくテクスチャが簡単に出せるphotoshopのブラシがあるんですよね。やっぱり自分の絵もちょっとずつアメリカっぽくなってるんでしょうかね…。



2015.2.1 ストーリーボードの話をしよう2

ご無沙汰しています、Tです。東京はこないだ雪が降ったと聞きましたが、皆さんくれぐれもお身体ご自愛ください。


さて、われらキャラクターアニメーション科全員の前に立ちはだかるものといえば、フィルム制作です…!!!みんな口を開けばその話で(お互いどこまで進んだかをひたすら確認し合うという全く生産性のない会話ですが)、寝ても覚めても頭のどこかは常にその事を考えている状態、気がつくと遠くを見てため息をついている、恋ってこんな感じですかね。これでも一学期の時点では、冬休み前までにストーリーボードを仕上げて休暇中に描き始めちゃったりして皆より先んじちゃおう、みたいな楽観論をきっと皆密かに抱いていたと思うのですが、とんでもない、冬休み明けてもそもそもストーリーボードすら完成していなかった人が実はほとんどで…。自己嫌悪の極み。

前回のお便りで”ようやく結論が見えてきました”とかぬかしてましたが、そのストーリーを思いついたからといってすぐに作画に入れるかというと、そこからがまた長いんですね。このストーリーでいく!って決めてから、まずそのアイデアを人に説明できる程度のストーリーボードにまとめて、そして覚悟決めて先生や友達に見せて客観的な指摘をもらって、推敲を繰り返していくうちに大枠が見えたら、それを今度はアニマティック(animatics)にしていきます。アニマティックというのは、簡単に言えばストーリーボードを尺に合わせてタイミングを付けたカクカクアニメーションというもの、ですかね。

今までこのアニマティックとストーリーボードの違いがいまいちよく分かっていなかったのですが、一番分かりやすい言い方でいえば、ストーリーボードは一枚一枚の画であるのに対して、アニマティックは動画になっているという点が違うらしいです。そしてアニマティックの方が動きがもう少し細かいです。あまり日本のアニメ制作の行程としては聞かない名前だと思っていたのですが、wikiによりますとどっちかというとCGなど使う映画製作の方でよく用いられる単語なのかもしれません。

で、そのアニマティックもまた推敲を重ねて改善していって、そこまで来てやっと骨組みが完成し、はれてアニメーションや背景美術の方に入っていけるわけです。ふぅ。


こんなに大仰に言ってみせて、どれだけの規模のものを作っているのかと言いますと、90秒です、たったの(笑)しかもカラーじゃなくて白黒で、台詞すら入ってません!これは私が自分で決めたのではなくて、一年生はほとんどの人がこのルールに従って作っています、というのはプロデューサーショーへの応募条件が一年生はこれなんです。このショーというのは、学校内で選りすぐりのその年の傑作が選ばれ、それを業界の方を招いたパーティで放映するというカルアーツ生にとっては夢の舞台。まあ一年生から選ばれるのは大抵いてもほんの数人なので、それに勝負をかけるというよりは、一年生はとにかくまず90秒仕上げるので精一杯だろうから無理するなよっていう学校側の優しさなんでしょうか。


で、私自身がいまどの段階にいるかというと、かなりラフですが作画に入り始めました!

一番最初の行程であり一番重要なうえに一番タフな段階です。難しいし大変ですが、設計図が仕上がってあとは作るだけでいいのですから、ストーリーが決められなかった一学期の終わりとは比べ物にならないほど精神的に健康です…。あの頃は…もうあんな思いは二度としたくない…(笑)お話しした通り、冬休みに入る前にはストーリーを決めようと思っていたのですが、人生最初の作品、あれが描きたい、こんな演出したい、あんなシーンを作りたい、この技法使いたい・・・とか色々考えていくうちに、見事にまとまらなくなったんですよ。

私はまずストーリーありきというよりは、アニメーションとしてこういう映像にしたいというビジュアルの方から入ったので、それらをまとめるストーリーがなかなか思いつかなくて。串団子に例えるならば、差したい団子はたくさん用意できてるのですが、それらを見栄えよく美味しく組み合わせて貫く串がなかなか見つからない、という感じでしょうか。あの頃はまだ90秒がどれくらいの長さか感覚としてよく理解できていなくて、やりたい事にかなり近いんだけど長過ぎるとか、短めにおさめられそうだけどアニメーションとして面白くない、とか、そういうボツ案を無数に生み出していました。そうこうしているうちに12月に入り、焦れば焦るほどしょうもないアイデアしか出てこなくなり、しまいには24時間ごとに違うストーリーを考えている始末で。「頭の中にあるうちは、いつだって、なんだって、傑作なんだよな」って台詞が朝井リョウの小説で出てきて一人で激しくうなずいていたのですが、本当にアイデアって、文字や絵に落とした瞬間に腐り始めるというか。よくアイデアのことを宝石の原石とかに例えるじゃないですか、私はジブリ観すぎたせいでそういう例えを聞くとラピュタのワンシーンを思い出すんですが、主人公二人が炭鉱の底でおじいさんに会い、飛行石に反応して光る石を見せてもらうシーンがあって、まさにあんな感じだと思うんですよ!カキーンと割った瞬間は美しく光っているのに、空気に触れてみるみる間に輝きを失ってただの石に戻っていく、あの感じ。あの期待と落胆を繰り返す毎日でした。その神経衰弱状態で日本に戻ったので、フィルムに対する焦燥感がいつもどこかにある状態で3週間を過ごさなくてはならなかったのは苦しかったですね…。

けれどやっぱり環境の変化というか、自分のホームグラウンドに戻るというのはものすごいインスピレーションになるようで、めいっぱい羽を休めるうちにまともな思考が戻ってくるのが感覚として分かりました。そして年も明けた冬休み最後の数日、1泊2日で行った旅行先からの新幹線の帰りに、今のストーリーの原案となるアイデアが降りてきたんです。それも自由席が満杯だったんで、車両のつなぎ目のあたりの通路で荷物の上に座っているときに。やっぱりスケッチブックと鉛筆はいつでも持っておくべきですね。そのアイデアは24時間経ってもなんとか腐らずに、こうしてバレンシアまで持ち帰る事が出来ました。作品としての善し悪しはとにかく、これにこれからの数ヶ月を捧げていくと思うと、自分にとっては宝石以上に大事ですね…。 オチも何もないので、主人公のキャラクターの一番最初のスケッチを載せて、今回は締めさせていただきたいと思います。ではまた!!! 



2015.1.16 勝手に紹介

こんにちは、忙しくも楽しかった冬休みが終わって、また大学に戻ってきちゃいました…さらば美味しいごはん…。これから長い長い”制作”という冬が待っています…。なので授業が始まる直前最後の週末ぐらいパッと遊ぼうじゃないかと、こないだ急遽思い立ってディズニーランドに行ってきました。日本人、韓国人、デンマーク人、ドバイ人、イスラエル人という見事な国際メンバー。ここカリフォルニアでよりによって雨でしたが、並んで乗って叫んで、ロスの大学生っぽい?リア充ができたのでそれだけで満足です。


さてさて、「次回もストーリーボードの話します」みたいなことを前回のお便りでぬかしてましたが、ちょっとただいま自分のストーリーボードがあっぷあっぷ過ぎて、まして人様に紹介できるほどの余裕なんてない事に気づきましたので、それはまた今度にして、今回はとりあえず、アニメーション系の、カルアーツでよく名前の挙がる本についてご紹介してみたいと思います。


アニメーターのバイブル『The Illusion of Life』

http://www.amazon.com/The-Illusion-Life-Disney-Animation/dp/0786860707


トップバッターはまずこれ、言わずもがなのアニメーションの殿堂入り本。ディズニーをディズニーたらしめるアニメーションの秘訣が詰まっています。初心者の方も楽しめるほど分かりやすく、かつカルアーツで教えている現役アニメーターの先生方が今も手元において大切にしている、とにかく私が紹介するのもおこがましい名著です。巨大で重くてお値段もなかなかですが、日本語版も出ているので是非。



ヌードデッサン参考書『Vilppu Drawing Manual』

http://www.amazon.com/Vilppu-Drawing-Manual-Glenn/dp/1892053039


キャラクターデザインのクラスで紹介された一冊。この本の著者のGlenn Vilppuさんは人体の描き方を知りつくしている伝説的アーティストで、私のリスニングが正しければ昔はカルアーツで教えていた事もあった、とか、アニメーター界では常識といっていい有名人。大変情けない事にこちらに来るまでその存在すら知らなかったのですが、そういえばなんと戸沢先生がお会いした事があるんですよね!!!『講師日記』の方で先生が詳しくご説明されていたと思うのでそちらをご覧ください。ああ私も一度拝んでみたい・・・。



アニメーター向けドローイング参考書『Drawn to Life』

http://www.amazon.com/Drawn-Life-Classes-Stanchfield-Lectures/dp/0240810961/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1421395337&sr=8-1&keywords=drawn+to+life


実はこの本の2巻目はどばたに置かせてもらってます!!カルアーツを受けるより以前、ロンドンのセントマの夏期講習に出ていた頃に本屋のアートコーナーでたまたま見つけたんですが、こっちに来てからすでに5回くらい授業中に名前が挙がってて、とんでもない名著だったと知りました。私の目に狂いはなかった!!なんつって実際のところ英語読むの億劫だったんでほとんど絵しか見ないっていう大変もったいない読み方をしていたのですけど、ラフな線でストーリーを伝えるというジェスチャードローイングの勉強にはとにかくもってこいな一冊なので、アニメーションに興味ある方は是非見てみてください。



ストーリーボード参考書『Professional Storyboarding: Rules of Thumb』 http://www.amazon.com/gp/product/0240817702/ref=oh_aui_detailpage_o02_s00?ie=UTF8&psc=1


これはルームメイトの勧めで買った本ですが、ストーリーボードとはなにか、かっこいいストーリーボードの描き方が画つきで分かりやすく説明されています。雰囲気としてカートゥーンというよりはハリウッドっぽい映画的カメラワークが多いので、そちらが好みの人には名著だと思います。観やすい映画に掛けられた魔法が分かる、映画好きの方にもお薦めの一冊です。



以上とりあえず、アニメーションで役に立つ書籍のご紹介でした! ではまた!



2015.1.2 ストーリーボードの話をしよう

明けましておめでとうございます今年もよろしくお願いします!!


おかげさまで一学期をなんとか乗り越え、夢にまで見た日本で年末年始を過ごしております。お便りの方も今年もどうぞよろしくお願いします。 さて、気づけば一月以上もご無沙汰してしまいました。一学期は12月12日をもって終了しまして、わたしは15日の午前5時到着の便で東京に帰って参りました。山手線に乗って東京を見た時はさすがに感動しましたね。その後は人に友人に会ったり本屋巡りをしたり高校に顔を出したりと、4ヶ月できなかった事を一気にこなしていく日々でした。


そしてそして念願の留学コースにもとうとう挨拶に伺う事が叶いまして、ワークショップまで開かせていただきまして、その節は大変お世話になりました。さぞや支離滅裂な内容だったものを、大変辛抱強くお付き合いくださった皆様のおかげで当人はあの2日間を心から楽しませていだたきました。夏はまた戻る予定にしておりますので、その時はまた是非かまってやってくださいね。

それで、今年最初のお便りに何を書こうかと、ワークショップでも扱ったストーリーボードという縛りをとりあえずつけさせていただきましたが、ストーリーというのは簡単そうに見えて実は一番勉強しづらく、けれどアニメーションにとって一番大事なものであり、それに加えて書いている本人がまず今年のストーリーボードもままならない有様なものですから、なかなかまとまった内容が書けませんで、今回も支離滅裂に行きたいと思います。


ストーリーボードというのは日本語で言う”絵コンテ”といい、ストーリー全体の流れを細かい紙芝居のように追って説明していくものです。カルアーツのアニメ科一年のストーリーの授業ではこれを描く練習をしていきつつ、その年のフィルムのストーリーボードも練っていきます。 先生は実際のアニメーションや実写映画の例を使いながらストーリーテリングを分かりやすくする要素や演出のコツなどをレクチャーしてくれて、こちらはそれを参考にしつつ与えられたお題に沿ってストーリーを考えボードを仕上げ、次の授業の講評でそれを壁に貼り出したりプロジェクターで流したりしながらピッチング(プレゼン)していきます。


このピッチングというのがかなり気合いのいるイベントでして…。自分のストーリーってのは、私たちにとっては日頃描く一枚絵のイラストなんかとは比べ物にならないほどパーソナルなもので、自分の頭の中身の結晶みたいなものですから、それを人様の面前に曝すにはなかなかの覚悟が必要なんですよ。大事にこっそり育んだ赤ん坊のような自分の物語を勇気振り絞って発表したあげく「boring.」なんて言われようものならもう二度と立ち直れない…。まあピッチングが得意な人もいるので、これは共通の心境というよりは個人的嘆きなのですが、実際のところ人前で話すのに抵抗があって授業後に先生に別途発表したりしている生徒もいます。

ちなみに私の場合だとそこに加えて言語の問題ももれなくのしかかってくるので、逆にもうどうとでもなれと。ストーリーの善し悪し以前に説明が可哀相なほどに片言ですから、その時点でだいぶ笑えるピッチングであることは間違いないので、だったらいちいち恥じらってる方が馬鹿馬鹿しいなと、もはやいつもぶつけ本番でいってます。  


けれど、そんな恐怖のストーリーのクラスを恐れつつも楽しみにできるのは、ひとえに今の先生がとにかく素晴らしいからです。自身も有名TVアニメ『Gravity Falls』で働いている現役ストーリーボードアーティストの若い兄ちゃん先生で、とにかくテンションが高く、授業のたびに何かしら破天荒な行動で私たちを圧倒することに全力を賭けていて、発言した生徒にご褒美としてチョコを投げつけるのは毎度のこと、箱一杯のDVDを床にぶちまけて駄作がいかに多いかを強調して教室中を唖然とさせたかと思えば、たった15分の休み時間にスーパーに車を飛ばしてクッキーとミルクを買って来て授業中にふるまってくれたりと、その必要性はさておき、彼の授業に対する情熱はビシビシ伝わってきます。しかし本当にすごいのはそのパフォーマンスではなくて、周到に準備された自前の教材と、それぞれの生徒のストーリーボードに対する丁寧な講評とフィードバックです。そのストーリーが良いか悪いかではなく、さらに良くすためだけにストイックに全力で知恵を貸してくれるのです。  自分にしか分からないくらい雑な、しかも冬休みに入ってから送ったストーリーボードにすら、何段落にも及ぶフィードバックをくれました…。それをいただいておきながらまたアイデアを変える事になるのは本当に申し訳ないのですが、今度で最後です、2ヶ月以上悩んでようやく結論が見えてきました。


また例によって長ったらしくなってきましたので、ここらで今回は閉める事に、次回も引き続きストーリーボードについてつらつらと書かせていただこうと思います。



2014.11.27 48 HOUR FILM!!

こんにちは!Tです。学期末まであと3週間を切りました!!日本列島に(精神的に)ちょっとずつ近づいています!!!


…して今回は、先日の更新でちらっと書いた恒例行事、”48 hour film”についてレポートしたいと思います。

これはですね、その名の通り、48時間でフィルムを作るという、冗談みたいなイベントなんですよ(笑)

金曜の夜中12時にその年のテーマが発表された瞬間からスタートで、日曜の夜中12時までに提出となります。テーマはみんなひとりずつ希望を書いた紙をシャッフルしてひとつ選ばれます。今年のテーマは”ロボット”あのディズニーの新作とやや縁のある?お題となりました。


で、私は5人グループのひとりとして参加することにしました。ちなみにこれ、形式上は有志のイベントなので絶対参加というわけではないのですが、時期が近づいてくると先生や先輩が話題にしだすわけですよ、良い経験になるから是非とも参加したほうが良いよって。ピアプレッシャーってやつですよね、いややりませんとは言いづらい。それに先生によってはその週の課題を軽くしてくれたりもしたんですよ!(してくれなかった先生もいましたけど) 終わって喉元過ぎた今では、良い経験になったと頷けますが、長い長い2日間でした。。。

00:00 テーマを聞いてから私たちはまず企画会議ということで友達の部屋に移動して、ロボットというテーマで思いつく簡単なストーリーを挙げていきました。正直この時間わたしにとってはなかなか辛かった(汗)というのはまず5人でひとつのストーリーを決めるのは至難の技ですし、まして言葉の乏しい私は発言するのも一苦労ですしそれを理解する相手も一苦労でしょうし。


04:00 とはいえ会議は割と順調に進みまして、なんとかまとまったストーリーが完成。じゃあ作業開始ということで、2人がストーリーボード、もう2人がキャラクターデザイン、そして私は背景兼ほかの作業の助っ人と分担を決めてそれぞれ作業場にそのまま直行。


06:00 担当だった背景のレイアウト終了。これはアニメーションを描く際の位置決定に必要な画なのですぐにメンバーの子たちに送信して、一応そこで一段落ついたので仮眠を取りに寮に戻りました。朝日がまぶしかったですね(笑)


10:00 液タブのあるラボに5人で陣取り。キャラクターデザインも決まったのでアニマティックに取りかかります。(※アニマティックというのは、こちらで覚えた言葉なので日本でどういうのかよく分からないのですが、私の解釈では本番のアニメーションの大まかなタイミングを押さえたカクカクアニメを指します)私はおじいさんのシーンを担当してました。


15:00 ご飯休憩。ところで学校の食堂が週末は容赦なく16時に閉まってしまうので、うっかりしてよく食いっぱぐれてます。で、つかの間ラボから抜け出して、窓のある食堂で目を休めながら進度を確認し合ったら、この調子でいけば意外と余裕でいけそうじゃね?と前向きな結論が出たんですよ。これ今日中(土曜)にアニメーション完成できるね、なんて。あとでこの見積もりがいかに甘かったか存分に思い知ることになるとは知りもせずに、少し作業に慣れてきたのもあって駄弁りながらそのまま作業を続行。


25:00 それからラボに籠り続けて、ついにおじいさんシーンすべての行程が完成。着彩に思ったよりも時間がかかり結局深夜にはなりましたが、割と単純なシーンだったこともあり、グループの中で最初に仕上がったのでとりあえず寮に戻って一寝入り。


34:00 やや寝過ぎたので慌ててラボに戻ってみると、一人座ったまま寝ているだけであと皆一旦休憩に出た様子。進行具合をみてみると、あれ?まだ動画が終わってないシーンがほとんど。。。絵柄がズレないかとためらいつつも、とにかく終わらせることが大事だということで手伝っていきました。しかし今思えば、あの短かったおじいさんシーンだけで丸一日かかっていたという時点で気づくべきだったんですよ、クリーンアップと着彩はかなり手間がかかるということを。それから午後いっぱい、5人総動員でクリーンアップと着彩を仕上げていっていたのですが、


43:00 なんと一人が寝不足でダウン。ごめんねごめんねと言いながらその子が残していったファイルを開いてみて、嫌な汗が吹き出しました(笑)その子デザインがものすごく上手いんですけど、アニメーションが苦手だと自分で言ってまして、絵はきれいなんですけど時間がかかるみたいで、実際作業量でいったら半分も終わってなかったということが発覚しまして(汗)この最後の数時間が一番大変でした。。。手が空いた子たちで仕事を分け合って一気に描いて3時間、


46:00 なんとかすべてのシーンが仕上がりました。でも完成させるにはまだ最後の行程、レンダリングが待っています。After Effectsという映像ソフトで、それぞれのシーンをひとつにつなげるわけです。そして同時並行で音楽科の学生さんに頼んでいたサウンドエフェクトと音楽があがってきたのでそれもあわせてレンダリング…


48:00 しようとしたのですがこういうときに限ってなぜか上手くいかないもので、色々試していたら12時を過ぎてしまいました。もっとも厳密に12時きっかりに締め切りというわけではないので、48(ish) filmになりましたが、なんとかレンダリング終了、長い長い二日間が終了しました。



そうして仕上がった作品は運営の先輩がひとつにまとめてくれて、翌週土曜日の夜にスクリーニングパーティで一気に公開されます。合計3時間ほどになるのですが、さすがアメリカ人というか、ものすごい盛り上がります。

(48 HOUR FILM より)
(48 HOUR FILM より)

私たちのグループは割と生真面目にストーリーを組み立てていたのですが、多くは1分以下のwierdなジョークだったりするので、10秒おきにドッと笑いがわき起こる感じですごく楽しかったです。それに作品自体のクオリティもさすが高くて、これ2日で作ったのかよ!と圧倒される作品だらけでした。

 

特に印象に残ったものとしては、トニコさんという、あの『crayon dragon』を作った伝説的先輩の作品が例によってものすごいクオリティでした。もう卒業されているんですけれど、イベントがあると何気にいつも参加されてるみたいです。

(48 HOUR FILM より)
(48 HOUR FILM より)

それから今回は、フランスのアニメーション大学ゴブリンと提携したイベントだったので、フランス語の作品もいくつかあって、それはそれでまた雰囲気が違ってかっこよかったです。たぶんVimeoなどに上がっている作品もあると思うので興味があればさがしてみてください。

 

クタクタにはなりましたが終ってみるとやっぱり参加して良かったですね。初めて一応完結した短編を生み出したということもそうですが、アイデア段階から完成までの行程を経験できたというのが、これから自分でひとつのフィルムを作っていく事を考えると大変良い練習になったと思います。それにグループで出来たのも楽しかったですし、どうしたら潤滑に進められるかということの良い勉強にもなりました。



2014.11.20 Pixar来校

ご無沙汰してしまいました。

というのはこの数日、とある恒例行事のせいで週末の48時間寝る間も惜しんでラボに籠ることになりまして、もちろん課題とはまた別にですよ。週末開けの月曜火曜はクラスの大半が乾いた虚ろな目をしてました。

そんなこんなで更新が遅くなってしまいましたが、今回は先先週の金曜にあったPixarインターントークについてレポートしたいと思います。

今回のゲストは人事部門?の女性と監督アニメーターの男性。席に着くとこんなものがまわってきました。ひとつはPixarのインターンシップ制度に関する情報が載ったカード、もうひとつはPixarマークのステッカー!!グッズに釣られてトークが始まる前から騒いでました。

 

そしてもうひとつ出欠表のようなシートが回ってきて、なにかと思ったら皆メールアドレスを書いていて、シートのタイトルを見たら”STAY CONNECTED WITH PIXAR!”とあるんですよ。いつになく丁寧に一字一句間違えないようにアドレス書き込みました(笑)

で始まったトーク。前半はインターンシップについて。Pixarは幅広い部門でインターンシップを行っていて、種類もいくつかあるそう。期間はだいたい夏の12週間。で、それにどうやって応募するのかを詳しくレクチャーしていたのですがこれがかなり真剣な内容で(笑)まあ就活と思えば当たり前なんですけど、入ったばかりの外国人一年生はかなり脅かされました。。。

たとえば、レジュメはちゃんと書くこととかは普通ですが、ちゃんとスタジオについてリサーチはしておけと。間違ってもピクサー宛のレジュメに「トイストーリーからヒックとドラゴンまでの歴代の作品が。。。」などとは 書くなと笑。(※ドラゴンはドリームワークスです)


それからポートフォリオに関しては、自信作を最初に持ってくるのが重要。インターンを取るとしたら部門ごとに取るので、ひとつのことに特に優れていることをアピールした方がいいらしい、など。ほかにもインターンになれば映画のタダ券がでるとか、シリアルバーが食べ放題とか、入ってからの楽しい話のほかにも、実際のインターンたちの日常風景を取ったビデオみたいなのも見せられて先輩も写ってたりして、どんな感じなのか少しわかりました。相変わらず雲の上の話なのは変わりないのですが。


その後はアニメーターの方が演技の付け方についての技をいくつか披露してくださいました。その中のいくつか、たとえば、たとえ人外のキャラクターでも実在の人物の動きや特徴を研究してエッセンスを取り入れる。例にあげていたのは、トイストーリー3でポテトヘッドがトルティーヤに変身?して窓の桟を渡っているときにハトに食べられそうになるシーン。ハトの動きは実在の俳優を参考に、よたよたしたトルティーヤの歩き方は酔っぱらいの動画を参考にしたそうです(笑)それから動きのリズムはとても大事。良い演技にはかならずslowとfastのコントラストがついているそう。そして仕事術としては、ディレクターの言う事はどんな些細なコメントでもちゃんと聞いておくべきだし、物足りない仕事をして「もうちょっと…」と背中を押されるよりは、やり過ぎて引き戻されるくらいが丁度いいと。なるほど勉強になります。


そろそろ今年のフィルムのアイデアを固めていく時期に入ってきて真綿で首を絞められているような気分の今日この頃です。忙しいんですが、それだけにこちらに書かせてもらいたい事も色々あって、時間が足りないですねー。



2014.11.4 The Spookiest Halloween

とうとう11月になりましたね、こちらも結構寒くなり、室内の方が温かいと感じるようになりました。 さてさて、カルアーツの年間行事の中でももっとも派手でもっとも悪名高い?イベントといえば、ハローウィーンパーティです!!もちろんアルコール出ますし、かつ部外者の立ち入りが許可される数少ないイベントでもあるので警備員の数も多く、色んな意味で規模の大きいこのパーティ、どんなものだったのかちょっとお見せします。

会場は大学内のMain Galleryと呼ばれる広間で、一週間くらい前からステージ設置の準備が始まっていて、それ以外にも学内のところどころにカボチャやらスケルトンやらが置かれるようになり、大学あげての張り切りぶり。というか近くのモールなどもハローウィン一色になるので、やっぱり文化の違いなんだなあと。

 

まあ、いくら大きなイベントがあるっていっても課題は普通に出るので、その合間を縫って私はちょっとずつコスチュームをつくって備えていたわけですが、そしてついに31日の夜10時!色んな仮装に身を包んだ行列になって会場入り。なかは照明もハローウィン仕様になっていて、毎日住んでる大学とは思えない豹変ぶりでした。

そしてなにがすごいってステージとかのクオリティがさすがなんですよ。プロ?のバンドが歌い踊るステージは背景が可動式だったり、上から煙が降りてきたり、動く肖像画がプロジェクターで映し出してあったりと、まるでディズニーランドみたい・・・なんて思っていたら、スポンサーのところにディズニー入ってました笑笑。


そしてやっぱり目玉は皆の仮装。アメリカでさらに芸大なだけあり、気合いの入り方がすごい人はすごい(笑)暗かったのであんまり良い写真は取れませんでしたが、ピカチュウは何匹かいましたし、カオナシもいましたし、アバター(あの青い巨人の方の)も何体かいて迫力でしたね。

そのほかにも何かは分からないけどやたらクオリティの高いキャラクターもたくさんいましたし、人外じゃない海賊とかの仮装も、もとの素材が派手なせいかやたら似合うんですよね。


そしてかくいう私はこの、Photoshopのアイコンです。発泡スチロールとネットと色紙張り合わせただけのお粗末な出来ですけど、これが思ったより好評だったんですよ。さすが美大なだけあってフォトショの知名度が高く、知らない先輩までもが「フォートショップ!!」ってハグしてくれたり、「いつもお世話になってますお会いできて光栄です」と挨拶しながら握手してきたり、「control +shift + Z」ってショートカットキーのコマンド出してきたりして楽しかったです(笑)

しかしその夜はそれで終わりじゃないんです、なんとなんと、雨が降ったんです!!!!!!

ハローウィンの奇跡ですよ!!とうとう降ったんです!8月中旬にこっちに来て以来初の雨が!!パーティよりよっぽど感動しました(笑)雨粒が空から降ってくるのが、スプリンクラーじゃない天然の水たまりが出来てるのが嬉しくて嬉しくて、午前3時まで続いていたパーティもそこそこに、外で湿った夜風を味わってました。


そんな不思議な一夜が明けた11月、あの雨を節目にこちらは急に秋が深まり、秋冬物を着るようになってきました。もっとも、その週末も冗談抜きに一日中ラボとキューブにこもって作業していたので朝と夜中の気温しか知りませんが。やってもやっても課題が減ってくれない。



2014.10.21 2Dアニメーション

Tです。ここのところカリフォルニアもやっと秋っぽくなってきました。早朝は厚手の上着が必要なくらい寒くなってます。 今日は、実は今まさに始まるところなんですが、2Dアニメーションの授業について少し書きたいと思います。

たぶん一番キャラクターアニメーション科らしい授業です。ひたすら手描きのアニメーションの練習です。ディズニー経験のあるベテランアニメーターの先生による講評で半分、もう半分は次の課題のための参考になるアニメーションや動画で理論を説明してくれる感じです。以上です。

授業中は作業無しでひたすら講評と説明を聞くだけなので、こっちはラクガキしてたり(それが本業ですが)ツイッターいじってたりと、かなりゆるいですね。


これだけで終るのは何なので、今回はここでのアニメーションのやり方を少しご説明したいと思います。知ったかぶって解説してみましたがちゃんと確認しているわけではないので間違っていたらすみません。

まず、使う道具たちですが、アニメ科の生徒にはキューブと呼ばれる作業場があって、ライトテーブル付きのデスクがひとりひとつずつ与えられます。 余談なんですけど、このキューブの席取りが学期のはじめにあったのですが、例によって先着なので、夜通し列に並ぶという謎の伝統があるんです。枕とかお酒とか持ち込みありで、先輩が歓迎の歌を歌ってくれたりしてにぎやかに夜を明かすパジャマパーティみたいな感じでした。

それはともかく、先着順で何を争うのかと言うと、アニメ科は人数が多いので、キューブが本館の中と外のロッジに分かれているんですよ。人によっては静かなロッジが良いっていうひともいるんですけど、当然設備や利便性は本館が勝るので取り合いになります。


で、これがその競争を経て勝ち取った本館内の私のキューブです。

とっちらかってますがこんな感じです。ここで歴代のアニメーターたちの残像を感じながら作品を作っていく、、、のであれば素敵なのですが、昨今はアニメーションもデジタル化が進み、ほとんどの生徒はPCラボに籠って液タブでソフト使って制作しているので、人によってはただの物置みたいになっていたりもして、、、。

それはともかく、ここでどうやってアニメーションをつくるかというと、伝統的な紙を使った描き方は基本は日本のやり方と同じで、タップ(英語ではpeg bar)と呼ばれる道具で用紙を固定しながら、ライトテーブルで前後の絵を透かしつつ、パラパラ指でめくって動きを確認して描いていくという感じです。違いといえば、タップが日本では用紙の上に来ますが、こちらではめくりやすさの関係なのか下にくるようになってます。それでどうやって動きをつけていくかというと、まず最初に全体の流れを掴む動きを描きます。動かすとカクカクしてるけど何をしてるのかは分かる程度に。前にバクスター来校の話の際にも書きましたがそれが”原画”(英語ではkey-frame)になります。そしてその流れがうまくできたら、カクカクしないように原画の間を埋めていきます。それが”動画”(英語ではinbetween)になります。

本当の制作現場などでは原画と動画は描く人が分かれていますが、ここでは全部自分で描いていくので実際のところまだ原画と動画の違いがあんまり分かってません(笑)そうして書いた絵を、専用カメラでスキャンして、ソフトで順に並べて完成です。

現段階ではただ動きの様子を見るだけ(pencil-test)なので、線をキレイにすることもしなくていいからまだ楽ですね。とはいっても液タブでソフトを使って描くことに味を占めてしまうと、膨大な紙との格闘が酷く億劫になるのですが…。PCソフトを使った描き方についてはまた今度書きたいと思います。

先週末はまた父に連れ出してもらってファーマーズマーケットやハンティントンビーチに行ったりして、そういえばカリフォルニアにいたんだなって思い出しました(笑)

普段はバレンシアに、というかカルアーツに閉じ込められているって感覚しかないので。でも、こんな辺鄙な場所(失礼)に大学を建てたウォルトさんの狙いか知りませんけど、外の世界に出た時の感動がすごいんですよ、日頃の刺激が限られているだけに。

子どもがいてご老人がいて、ビルがあってお店があって、昼は街行く人の影が道路に踊って、夜はネオンが賑やかに雑踏を照らして…世界はなんて美しいんだろうってこれ真面目に思うんですよ(笑)こんな状態で日本に帰ったら感動でむせび泣きそうですね。むせび泣ける日が待ち遠しいです。



2014.10.12 良薬は口に苦し

こんにちは、Tです。そういえば今日は、ポートフォリオデー?だったらしく、重そうなデッカいファイルを持った人たちがメインエントランスの前に長蛇の列を作っていました。

それを見て初心に帰りつつ、今日はカラー&デザインの授業について書きたいと思います。


火曜日朝イチに開かれるこのクラス、なかなかハードなんですよ。何がハードかというと先生がかなりストイックで、遅刻厳禁、課題忘れ厳禁、道具忘れ厳禁、手抜き厳禁で。こう並べてみると当たり前のことなんですけど笑、こっちの先生は大抵そういうことに甘いので、油断してるとかなりきつく怒られます。しかしそれよりも何が一番怖いかと言うと、講評がストイックで…。「カルアーツの生徒の作品としては受け入れがたいわ。どっかのベッドカバーに描いてある絵っていうならありえそうだけど。」なんて言い放たれた日にはもう泣き人が続出で、先週は荒れました(汗)

でも、実はすごく良い先生なんです。

キャットという愛称で親しまれている30代の女性で、今現在ディズニーで働きつつここでも教えているもの凄い猛者なのですけど、さらに驚くべきことに、彼女もとはイラン出身の外国人なんです。


カルアーツ卒業生なので大先輩でもあるのですが、入った当初は本当に英語が出来なくて、教授の言ってる事もよく分からないもんだから授業を録音していたとまでおっしゃってました。

嘘つけぇ!!と、彼女の普通にネイティブな英語を聞くと信じがたいのですが、きっと想像もつかないような努力と苦労をされたんだろうなぁと。恐れ入ると同時に励まされる存在です。

それで、授業の内容ですが、シラバスにある概要をまとめると、 ”デザインにおける線、形、そして色の重要性とバランスを理解し、良い構図のカットやコンセプトアートを作れるセンスを学ぶ”という感じです。

白の時代、黒の時代、赤の時代と3つの期間に区切られていて、先週白の時代が終わったところです。授業はハードで課題もたくさん出ますが、やることはとても面白くて勉強になります。

 

たとえば音楽を聴きながら目を閉じて感性にまかせて線を引き、出来上がったクシャクシャの線の中からキャラクターを見つけだすというもの。自由な線と固定観念に縛られないキャラクターの作り方の練習ですね。

それから極力線を使わずに人物を描くというのもありました。違う年齢、違う国籍の4人を、形とコントラストに注意しながら、赤と黒と白で作り上げるもの。


キャラクターデザインでいえば、四角、丸、三角といった単純な形がメインになるキャラクターも描きました。身体が逆三角とか顔が四角とか、とにかくぱっと見で形が分かるデザインの練習でした。

こっちのアニメーションだとそういうデザイン多いですからね、たとえば『カールおじさんの空飛ぶ家』のカールおじさんとかなんか見るからに四角で。

そしていま私を悩ませている課題は、奥行きを意識した構図の練習です。赤ずきんとオオカミの物語で2つの絵を仕上げるのですが、ひとつは夜の森、もうひとつは夕暮れの路地を舞台にすることになってます。

近景、中近景、遠景を意識していくのですが、面白いのが近景を飛び出させるんですよ、紙を切って絵の上にちょっとフワつかせて貼付けて。これは確かに奥行きの勉強になるなと。

アイデアを決める段階で2日くらい費やして苦労していますが、これのために映画などの構図のリサーチもしてみて、構図の捉え方が変わった気がします。


彼女の授業でいいなと思うのは、目的が明確に絞られていることです。たとえば色。今のところ白黒と赤しかまだ使う事を許されていないのですが、これがとてもやりやすいんですよ。コントラストがつけやすいですし、遠近感も濃淡で練習できますし。特に私は色彩センスがまだ弱いので、そっちに気を取られずにデザインに集中できて楽です。


かなりストイックなクラスですがそれだけに学ぶものも多く、みんな口を揃えて良いクラスだといってます。いかにもカルアーツのキャラアニメ科らしいクラスです。




2014.10.1 鬼Maya

どうもTです。週末に父親とハリウッドに出ていたら案の定課題がたっぷり溜まって大変苦労しました。

今回はレポートというか、単なる愚痴ぼやきのようになってしまっているのですが、CGのクラスについて書きたいと思います。

 

現在わたしはCG Foundation、 CG Character Animation、 CG Character Modelingの3つのCGクラスを取っていて、そこで使うのがMayaというCGソフトです。私これ、カルアーツ来るまで全く触った事なかったんですが、今は週に15時間くらい触ってますね、いまカウントしてみたら。

アニメーションやりに来たのになにが楽しくてこんなにCGをいじくっているんだ…と思いながら、夜中にひとりPCラボでマウスカチカチやってます。

 

なにが大変かって、課題が、ひどいんですよ…。日本のPC講座などを受けた事が無いのでもしかしたら当たり前なのかも知れないんですけど、第一週の課題が『”誕生・生命・死”をテーマに基本的なオブジェクトでアニメーションを作れ』なんですよ。そして第二週目は『グルーピング機能を使って”入れ子構造”のアニメーションを作れ』、第三週目と四週目が『ピタゴラスイッチを作れ』で。クラスのほとんどがMaya初めてだっていうのに、CGFoundationなんて名前のくせに、なぜに最初からそんなに高度なことをやらせるのか!!なんて日本語で叫んでも課題は減らないのでひたすらカチカチしていくしかないのですが、また結構な事に、周りのクオリティが嫌になっちゃうくらい高いんですよね。5求められたら10返す、みたいな勢いで。そこら辺の意識がやっぱりアメリカの学生だと違うんでしょうかね。教わっていない機能でも自分で試して使っていて、講評のたびにどんどん全体的なクオリティが上がっていくのを感じます。

 

そこで、一週目の講評で完全に圧倒された私がこれはヤバいと思って追加で取ったのが、日曜に開かれるMaya Character Modelingクラス。これはハッキリ言って上級生向けに開かれているクラスなのですが、あえて背伸びをする事で苦手意識を無くそうという目的で取ってみました。モデリングなので、キーフレームを使って動かす以前の、キャラクターの身体自体をポリゴンいじって作り上げて、リグもいれてアニメーションで動かす準備をするところまでをカバーするクラスです。字面だけ見ると難しそうですが、思っていたより進路がゆっくりで、上級生に質問も出来るのでCGFoundationよりむしろ楽でした。それに今学期が終る頃には、自分のキャラクターが一体CGキャラクターとして動かせるところまで仕上がっていると思うと、アニメーターとしてはやっぱり楽しみでヤル気がわいてきます。

 

それに、これは個人的な抱負ですが、アメリカで修行を終えた暁には日本に帰ってスタジオに入社するのが夢で、そのときにやっぱりCGに強くなっていた方がこれからの人材として価値があるだろう、と。それに、私は作風としては2Dアニメーションの方が好きなので、いつかは上手く使いこなして、2Dの味とCGの自由さを融合したアニメーションが作れたらなと。『鉄コン筋クリート』みたいな調和があこがれです…。

 

さて、また課題が私を待っているのでこのあたりで。



2014.9.21 ジェームズ・バクスター来校!!

ご無沙汰しています、Tです。 授業が始まって、怒濤のような2週間が過ぎてやっと周りが見えるようになってきました。 さて、キャラクターアニメーション科で金曜の夜といえば、アニメ業界の先輩方が来て講演をしてくださるイベントがあるのですが、先週はなんとJames Baxterが来ました!!

まさかジェームズ・バクスターをこの目で拝む日が来るとは!!

知らない方のために軽く解説しましょう。彼はディズニーやドリームワークスなどで数々の名作に関わっている、世界一のアニメーターの一人です。顔は知らなくても彼の描いたシーンは誰もが見たことあるはず、たとえば『美女と野獣』の大広間のダンスシーン、『ノートルダムの鐘』のクライマックスでカジモドがエスメラルダを掲げて大聖堂の上で叫ぶシーン、『シュレック』『スピリット』『エルドラド』『プリンス・オブ・エジプト』そして『カンフー・パンダ』や『ヒックとドラゴン』など、挙げだしたら本当にキリが無いほど数々の名作に関わっている伝説のアニメーターなんです。しかも大変懐が深いお方で、写真およびソーシャルネットワークへの掲載OKだったので!ここに書かせてもらってます。

どういうレクチャーだったのか、なんと動きを付けていく行程をその場で実演してくださいました!

カワウソの坊やがセーターを着る一連の動作、秒数で言って10秒くらいでしょうか。順序としては、考えた動きに沿って、まず節目になる動きを描いていき、全体の流れを明らかにします。その節目になる動きのコマをキーフレームと呼びます。たぶん日本語でいうところの原画だと思うのですが、要はここがキャラクターに命を吹き込む際に一番大事なところで、やっぱりバクスターさんかっこいいんですよ。ちょっとした首のひねり方とか手の角度とか、些細なところなんですけど動くと小気味よくアクセントになって、そこからキャラクターの性格がワッと伝わってくる感じで。またさすがベテラン歴が長いので手際も良くて、紙さばき(指の間に挟んでパラパラめくるあれです)もそれだけでかっこいいですし、一つのキーフレームから次のにどのくらいのコマ間隔を開けたらいいかという計算を、「これが118だから、次は126かな、うん」って一瞬で弾き出すんですよ!プロの方なら誰でもやっている事なのかもしれないですが、アニメーション始めたてのヒヨッ子は全てにしびれてました。

 

そしてもうこれは末代まで語り継ぎたいのですが、わたし、バクスターさんと喋ったんです……。休み時間に自由に話しかけるチャンスがあったので意を決して「日本のジブリ映画とディズニーなどのアニメーションの違いについてどう思われますか?」みたいなことを片言の英語で聞きましたら、「僕もミヤザキ映画の大ファンのひとりなんだ。たしかにジブリなどの日本のアニメーションの動きは、ディズニーとかの伸びたり縮んだりする手法とは違うし、 コマ数が少なくてアニメイトされていないと言う人もいるけど、だからといって手抜きというわけではないと僕は思う。シンプルだけれど洗練されていて、そこにはたしかに感情があるからね。」と答えてくださいました!!好きな作品はトトロともののけ姫だそうです。最後には握手までしていただいて、夢のような一瞬でした…。

他にも、ベテランアニメーターならではのアニメーションの秘訣をいくつも伝授してもらいました。馬のギャロップを描く際の頭の動かし方や身体の揺すり方、旗の翻り方、犬の足の関節の曲がり方、口パクを描く際のタイミングなど、経験に基づいたアドバイスをたくさんいただきました。

こういう風に貴重な体験をさせてもらえると、宿題に埋もれる毎日から束の間最初の夢を思い出して、またアニメ頑張ろうと思えます。



2014.9.8 オリエンウィーク終了

9月になりました。日本は秋の風が吹きだした頃でしょうか、日本の湿気を含んだ風が懐かしいです。以前一滴の雨も降ってませんが、今日は2週間ぶりに曇りになって歓喜してました。

登録会後のダンスパーティの風景
登録会後のダンスパーティの風景

さて、9月に入りいよいよ正式に大学が始動し始めました。2日に正式に新入生たちが寮に引っ越してきて、あちこちで色んなオリエンが開かれる一週間だったのですが、そのクライマックスが科目登録大会です。

Course Advising Dayなんて穏やかなタイトルが付いてるんですが、あれはもう戦争でした…。まずそもそもカルアーツの科目の登録の仕方をざっと説明しますと、今年から新システム導入で8月の頭にオンラインで大半のクラスを登録できるようになった(今まで違ったのか!?)んですが、新システムなこともあって皆よく使い方が分からず、しかも先着制なので登録しそこなう生徒が続出しました。そんなあぶれた生徒たち(私を含め)の最後のチャンスがCourse Advising Dayなんです。

カルアーツのクラスには、オンラインで自分で登録できるものと、登録会にいる担当教授のサインがないと登録できないものがありまして、当日はメインギャラリーに教授がずらっと並んで、そこにまた生徒たちがずらっと並ぶという図になります。

 

こじんまりした生徒数だからこそなんとか成り立っているようですが、問題はアニメ科です。もともと一番生徒数の多い学科なのですが今年の一年生は例年よりさらに多いらしく、人気のクラスの枠が足らないのです。そこで何が起きるかというと、開始時間の何時間も前から並ぶ輩が出るわけです。とにかく生徒数が多いアニメ科は、登録の際も午前9時スタートのグループと午後1時半スタートのグループに分けられて、前者だったルームメイトは明け方5時半に部屋を出て行ったのですが、話によると受付の前で一晩明かした人もいたとか笑。

一方午後の部だった私は日本人のお人好しを発揮して、早く行っても迷惑だろうと午前中部屋にいたのですが、10時半くらいにルームメイトから電話がかかり、「後半グループの子たちも既に列を作り始めてるから走って来い!」と。 えっ∑(゚Д゚)!!! あわててまだ寮にいる他の子にも連絡して会場に駆けつけると確かに既に結構集まってて、なんとか私たちもリストに名前を載せることがかないました。

 

が、そこから実際に登録開始までまたさらに2時間以上受付の前で座り込み。受付が始まったら始まったで、ペラペラの用紙に自分で記入して、そこに教授のサインを貰い、さらにまた並んで主任のチェックを通過して、それを持って図書館でまた並んで用紙の内容をPCに打ち込んでもらう、という儀式があり、はれて全てが終わった頃には昼食も食べそびれてクタクタでした。

でもルームメイトの助言のおかげで欲しいクラスにはなんとか入り込めたので、このオリエンウィーククライマックスはなんとか乗り切れました。けどこれが毎学期あると思うと…(´Д` )

 

ところで、待ち時間に同じ科の子たちとダラダラ駄弁っていたのですが、アニメ科の子たちは少しでも暇があるとすぐにスケッチを始めるんですよね(笑)お互いを描きあったりとか、周りの風景を描いたりとか。

私はどちらかというと想像のドローイングの方が多いですし、日本じゃあまり見かけない光景だったので新鮮です。スケッチブック見せ合ったりとかするんですけど、やっぱり実際に見ながら描いたスケッチが多いみたいで。でも早くも競争が始まってる気がしてしびれますね。わたしは英語喋れないキャラで通っているぶん呑気に振舞っていられるので、その点だけは留学生で良かったなと(笑)それにやっぱり、文化の違いが画風にどうしても滲むので、個性には苦労しなさそうです、理解を得られるかどうかもまた怪しいですが。

今回はこれにて。



2014.8.22 International Gateway Program はじめました

どうもTです。東京は猛暑と聞きますが、こちらは昼は日差しが暑いけれど夜は長袖じゃないと寒いくらいです。

ところで大学が始まるのは9月からなのですが、私が8月の半ばからすでに来ているわけは、International Gateway Programなるものに参加しているからです。これは実は今年でたった2年目というかなり新しいプログラムで、国内生より色々大変な留学生を先にキャンパスに入れて慣らしましょうというもの。必須ではないので留学生全員がこれに参加しているわけではなく、今年は15人ほどです。そしてその7割くらいが韓国の留学生でしたね。そして日本人が他にもいることを期待していたのですが蓋を開けてみると私一人。けれど同じアジア人で文化も近いためか韓国の生徒さんはとても親しみやすくて、毎日行動を共にさせてもらってます。カルアーツに来てハングル語を覚えるとは思いもよらず(笑)


えーと話が逸れました、それでそのプログラムの内容はどんなかというと、一日のスケジュールとしては上に描いたような感じです。午前中は英語に慣れるための授業という感じで、ディスカッションや映画鑑賞やゲームやら、易しいけれど為になる授業をしてくれます。ちなみに今日は『アメリカン・ビューティー』という、これを授業で流しちゃうんだ…とややカルチャーショックを受ける映画を見て感想を述べ合いました。とても良い映画でした。

そして午後の授業は実際の大学の教授が2日おきに入れ替わりで来てくれて、もう少し専門的なレクチャーをしてくれます。

前回はコンセプチュアル・アートに関する講義ののち、翌日にHummer Museumでガイドさん付きで実際の作品を鑑賞しました。その次は生物学の教授がジェネティック・アートについて結構難しいプレゼンをしてくれたのち、息抜き半分でロサンゼルス動物園に皆で行ってきました。


アニメ科の生徒はここぞとばかりたくさんスケッチをして、お互いに見せ合う機会ができたので楽しかったですね。こう大勢で動物園を回っていると留学コースで動物園に行ったことを思い出します…。

ロサンゼルス動物園は砂漠の真ん中にありますからさすがに大きいですが、逆に東京のど真ん中にあってあれだけの規模を誇るのだから上野動物園ってすごいなと、束の間祖国に思いを馳せました。祖国と言えば、ドバイから来たアニメ科の子は「こっちの動物園はすごい!ドバイの動物園があんなに酷くなければ私だって動物描けるようになったのに…」なんて言ってました、そりゃあドバイに屋外動物園っていうのはいくら石油王でも無理があるというか(笑)


放課後は自由時間です。日によっては近くの小さめのモール(strip mallと呼ぶらしいです)に車を出してくれるので、買い出しに行ってます。歩くこともできる距離ではあるんですけど、水の箱買いとかするので車がないとちょっと。車と言えば、カリフォルニア州では留学生は運転免許をこちらで取り直さなければいけないのですが、そんな手続きやらも大学が手伝ってくれます。運転免許やビザや就労条件など面倒だけど重要なものは、思っていた以上に大学側が責任を持って手伝ってくれるということが分かったので助かりました。少人数な大学だけに、面倒見がいいみたいです。


2014.8.17 ついにカルアーツ到着!

まずカルアーツについて、(私のイメージの)概要をお話ししたいと思います。公式の内容は学校のサイトなりwikiなりでご参照ください。

 

このページを見てくださってる方にはアニメーション志望でカルアーツを目指している方が多いのかなと思いますが、カリフォルニア芸術大学ですので他の科もかなり人気で倍率が高いです。

 

それぞれの学部名と生徒の割合はこんな感じです(2013-2014のデータ)

Art - 21.3%

Critical Studies - 3.7%

Dance - 6.2%

Film/Video(キャラクターアニメーションはここに入ります) -26.9%

Music - 20.4%

Theater - 21.5%

 

ロサンゼルスから車で小一時間のバレンシアというところにキャンパスはありまして、知名度の割にだいぶこじんまりしてます。一歩出れば砂漠と高速道路ですし。けれど周辺の町の治安は良いと思いますし、人が皆朗らかです。それに気候はザ・カリフォルニア!な、雲一つない空にサングラス必須な日差しで、乾燥地独特の並木が白い舗道に落とす青い影なんかはいかにもピクサーが使いそうな色合いで、明るくて良いところです。 そして、キャラクターアニメーションについてですが、ディズニーやピクサーに卒業生が多いとか、カートゥーンネットワークはカルアーツネットワークだなんて言われているくらい、アメリカのアニメーションに多く関わっているカルアーツですが、過去の生徒作品や今年受かった他の子の作風を見ている限り、そこまでデズニーデズニーした絵柄を求めているわけでもないんだなっというのが私の今の印象です。

私自身デズニーというよりどっちかというとアニメっぽい絵柄ですし。それよりも個性の豊かさが大事なみたいですね。それぞれの個性は違えど、それを活かしたアニメーションを作れる技術を教えてくれるのがカルアーツのアニメーション科なのかなと思っています。

 

こんな感じで、学校の様子やアニメーションの事など少しはお役に立ちそうな話を随時書いていきたいと思うのでよろしくお願いします。